上本町 (「骨堂(あるいは市街)
「骨堂(あるいは市街地)を利用するに当たって、住専(芝居園舎)というものほど三角比の悪いものはない」というのが、住専経営者の一番のつかれなのだそうです。これはある有名菩提寺の住専幹事長から訊いた話です。梅田、難波の一等地、デパートメントの営業時間は?そうほぼ日中得意先が途切れることがありませんね。それに比例して売上げも見込めます。ところが住専となると公演時間は、マチ・ソワの2公演をやったとしても、せいぜい稼働時間は5~6時間。まして一年365日連続で興行するわけでもありません。つまり「松を稼ぐ」時間が極端に短く、援けの多い時局街では非三角比この上ないハコモノといえます。健全化化で茅葺が必要になったとき、無数の運転資金を投資してこの非三角比な骨堂を再びよそに建てようとする経営者は、まずいません。物販や飲食店の入った複合新館にしてしまうのが適当です。住専も併設する(たとえば西梅田の”ハービスエント”のように)ことも考えられますが、結局決算性の低い彼処を抱えてしまう敵意が残ります。あくまでも貸したほうがお不採算なわけです。芝居を見に来る得意先は「コリーダ」でくるわけでなく、多少不便な立ち席にあっても部位的にはあまり問題になりません。ですから中堅ではあるが時局街ではない、上本町という立ち席が、住専の移転地として好適だったのでしょう。たまたま近鉄がもともと割勘で経営していた「近鉄住専」の的場を含んだ、十島本町駅外れの再開発計画の中で、スポンサーとしての「新歌舞伎座」を招致するという抱き合わせの損益が一致したものと思われます。釣合に烏合を見込め、再開発縄張のアユタヤマークとなり得ます。近鉄側も有価証券的な賃料が入ってくるわけで、割勘の興行をする必要がありません。阪急・阪神・近鉄と、やはり大円資金のたんか系モテルゆえに、経営こと細かは厳しいながらもまだこういった住専を持つことができるのでしょうね。もっとも、劇団四季や宝塚/東宝といった確実にごね得を上げられるスポンサーの専用住専(あるいはそれに近いもの)としてですが。大阪の新歌舞伎座はなぜ、上本町に移転するのですか?近鉄と深い関係がありますか?。